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2004年10月

週刊オレにも産ませろ!完結編その3

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昨日の夕方から陣痛が始まり、間隔が狭まったり遠ざかったりしながら朝になった。
夜中は、助産婦さんが陣痛が遠のいたので、一人は一度戻られた。
残ってくれた助産婦さんは、陣痛の合間にちょっと目をつぶって眠りそうになるけど、
手はちゃんと奥さんの腰をさすり、陣痛になると抜群のタイミングで介抱していた。
僕は、奥さんの手を握りながら、その助産婦さんのすばらしい仕事を見せてもらっていました。
奥さんは、つらい陣痛が終わると、次の瞬間には熟睡して、また陣痛の合間に起きるという具合だったので、
そこにいた人の中で、もちろん一番痛かっただろうけど、一番寝たし、一番大切にされたし、一番注目されるとても不思議な存在でした。
朝になり、もう一人の助産婦さんが戻り、今まで、付きっきりでいてくださった助産婦さんは、別室で少しだけ急速に付いた。気兼ねせずに、寝るところが、プロだと感じた。
本番の出産時に力が出ないのでは、意味がない。
休息を旨く取るのも、仕事のうち。
外から帰って来た方は、袋一杯におにぎりを買って来た。
体力を蓄えるのも仕事のうちである。
ぼくにも、へばったら意味ないからと、おにぎりを「2つずつね」と言って分けてくれた。
買って来たものを分けるとなんか、連帯感がわき一つの出産という目的に向かって一緒にがんばろうとう気が強くなった気がした。ちょっとした団結式でした。
そこに、奥さんまで食べると言って、玄米のおにぎりを催促して来た。
助産婦さんは、今までの経験から
「妊婦さんは陣痛が始まったら気持ち悪くて食べられないか、戻してしまうよ」
と忠告したが、奥さんはそれでも食べたいと一個、少しずつちぎりながらぺろりと食べてしまった。
助産婦さんはその食べっぷりに驚いていた。
その後、ミニあんぱんを2つにおにぎりをもう一つ食べるという快挙だか暴挙だかを成し遂げた。
結果的に、それが体力切れせずにがんばれた要因だと。
それから、陣痛が始まった時も、二人とも今日明日産まれるなんてこれっぽちも思ってなくて
1週間後くらいのためにレモンのハチミツづけを作った。
その後、すぐにスタートを切ってしまったので、レモンは浸からなかったけど
ジュースがいい感じので気になっていて、奥さんと助産婦さんに作った。
奥さんは、美味しいとも言わずに時々口にしていたのだけど、
ちょっと助産婦さんのを飲んだ時に、陣痛で苦しみながら涙声で
「こっちの方が美味しい〜。」と訴えていたのがおかしかった。
これだけ元気があれば、乗り切れるわよと励まされながら、朝を乗り切り、午後になった。
陣痛の時は、うめき声で、皆ものすごく、緊迫した雰囲気になるのだけど、
間隔がある間は、薄明るくて、奥さんが寝ているから、皆とても静かで、徹夜のけだるさの残る部屋が
けっこう嫌いじゃない雰囲気だった。

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夜10時半にいちど助産院に検診に行き、
11時半に家に戻った。
日付が変わり、陣痛の間隔は7分から3分くらいに狭まった。
助産院と30分おきに電話で連絡を取りながら、
結局助産婦さんが到着する3時30分まで二人で4時間がんばった。
二人の助産婦さんが来てくれた時は、正直ほっとした。
そこからは、マッサージやテルミーお灸やありとあらゆる体へのケアを
見守りつつ、陣痛が来たら手を握りに駆けつけた。
平均して、陣痛を5分と考えると、1時間で12回、33時間で336回も力一杯に手をつなぎ合ったことになる。
日常生活を通して夫婦でさえ、33時間あれだけ、密着していることはない。
それに、夫婦を2人の人(助産婦さん)がサポートしてくれているなんてことはない。

不思議な事とで、陣痛には潮の満ち引きが密接に関係していて
満潮近くになると、陣痛間隔がせばまる。
満潮時を過ぎると間隔は3分だったのが、10分となったりもした。
病院だと、潮の経過がわからないほど、速攻でお産してしまうのだろうけど、
通った助産院の方針は、なるべくぎりぎりまで何もせず(薬や切開など)
ただひたすらに赤ちゃんとおかあさんのタイミングが合うのを待ち続けるのだった。
この待つという作業がとてもつらいものだった。
目の前で、痛がってる人を見続ける訳だから、
励ますったって続けるのはなかなか難しい
しかも、33時間他の事は何もせずただその人の苦しむ姿を見続けるのはつらい。
本人もさすがに24時間を過ぎた頃からは、痛みからのがれられるならなんでもするなんて思っていたと。
ぼくも、どうにかして苦しみから解放してあげたいと思っていた。
終わってみると、あの苦しみがあったからこそ、愛娘を愛おしく思う気持ちが芽生えたとか思える。
でも、渦中にいるときはなかなか。

助産婦さんは、陣痛以外は慣れたもので、僕らをリラックスさせてくれるために
さりげなく、日常会話をしてくれた。
話題を僕らの興味のある方へと進めてくれた。
カヨの絵日記は、来てくれたご本人たちも登場してるし
興味津々でじっくりと笑いながら見ていた。
それから、カヨが「本棚から、他の絵日記を見せてあげて」というのを聞きながら
「そんな気配りができるようじゃまだまだ産めないから」とちゃかして言っていた。
あとで、その通りだと思った。人間らしい営みができている間は産めませんでした。
連続してくる激しい痛みで、母が動物(本能の部分だけの要素)になったとき
初めて産めるのだとわかった。
カヨが痛がっているのはけっこう冷静に受け止められたけど、
助産婦さんがカヨのためにあらゆる手段で楽にしてあげようとする姿には、目頭が熱くなり
涙を流しそうになることがなんどもあった。
そうこうしているうちに、カーテンの隙間から薄明かりが入ってくるようになった。

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娘の小春がウチに来て今日で3日目、なんだかずっと前からいるような気になる。
たぶんお腹の中にいるときも話しかけたりしていたせいだと思う。
お産の30時間のこと
少しずつ分けて、書いていきたいと思う。
もちろん記録にもなるし、
実際に体験してみてお産に対するイメージがさらにがらりと変わったことを綴りたい。

小春が産まれたのが、2004年10月19日0時52分なので、
逆算すると17日までさかのぼる。

朝、佳代が「夜中おしるしがあったから、1週間くらいしたら産まれるね。少し痛みが強い時があったけどなんだろうね」
と彼女はまったく陣痛とは思わなかったらしい。
言われた僕も、まあ、頻繁でなければ、まだまだだねと軽く流していた。
まだ、予定日には10日あるし。
僕は午前中、サッカーの試合をフルでこなして、
昼からは、「お産前にラックを買って部屋を整理しよう」というくらい軽い気持ちで
二人でスーパーに買い物に行った。今思えば、
何度か場内を痛いと立ち止まりながら歩いていた、あれがすでに陣痛だった。
さすがに、サッカーの試合で疲れていたので、
組み立ては今度にした。
まさか、疲労困憊した体で出産に挑むとは思わなかった。
臨月を迎える奥さんを持つ旦那さんは体力を温存すべきだったと反省している。

夜ご飯は、近くに住む母と3人で秋刀魚の塩焼きと具沢山みそ汁とごはんを食べた。
「今度会う時は4人だね」
「じゃあ最後の晩餐という事で」とかいいながら佳代は全部たいらげた。
あとで、助産婦さんに報告したらあきれられていた。
たいていの妊婦さんは陣痛が来ていたら、食べられないか、戻すかのどちらかということだった。
でも、あの人その後の格闘中に少しずつだけど、玄米おにぎり2つとミニあんぱん2つも食べていた。
助産婦さんもあきれるくらい食欲があった。
17時に陣痛の間を計ってみたら10分で、連絡した方がいい時間間隔なんだけど
佳代はどうもあまり痛くないから、「まだわたしなんか若輩者ですからまだまだですよ」とか言っていた。
でも、母親に促され、「まだじゃないの?」とか言いながら
助産院に電話をすると、
「それはもう陣痛ですから、何か変化があったらすぐに連絡ください」と真剣な声で言われたらしい。
それから、母が帰り二人きりになり、5時間くらいで7分間隔くらいになった。
その5時間の間、陣痛で止まりながらも、佳代は明日締め切りのイラストの原稿を仕上げていた。
「今、やらないとまにあわないからがんばる!」と言って仕上げてデータを送った。
プロ根性は陣痛にも勝るものだった。
そして、日付は18日となった。


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昨日の0時52分2662gの女の子が産まれました。
名は、入江小春です。
30時間の長丁場でしたが、よくがんばって、自宅出産を乗り切りました。
あんなに充実した30時間は他に例える事ができません。
また、30時間のことは詳しくこの場を借りて発表したいと思っています。
赤ちゃんが出て来たとき、嬉しいという気持ちよりも、
ほっとした気持ちの方が強かったです。
最後は、奥さんと一つになれた気がしました。
この気持ちはまさに、「オレにも産ませろ!」が実現できた感じでした。
感無量です。

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妊娠39週目の臨月の奥さんは、
毎晩、寝る前頃にお腹が張って痛くなる。
楽にしてあげようと、足をマッサージをしたりする。
張るというのも、痛くなるというのも
なんとかしてやりたいとは思っても、
実際にどんな風な感じなのか、実体験がないので
想像の域を越えない。
だから、産まれそうな痛みとか言われたりすると
そうなのかなと思ってしまったりする。
最初にそういわれた時は、
もう少ししたら、助産院に電話して、車に乗せて
連れて行かないとと覚悟を決めたもんだ。
それが、毎晩「産まれる!」って言われるもんだから
もう、慣れっこになってしまい、
本番の時に、素早く対応できるのかどうか不安。
オオカミ少年効果で
「またウソじゃないの?」とか疑ってしまったら大事だ。

でも、妊婦さんが自分に対しての痛みの「オオカミ少年効果」は絶大だと思う。
というのも、
毎日、少しずつ大きくなるお腹と共に
確実に、痛み方は激しく、回数も増えている。
そうやって、痛みに慣れていけば本番は、少しは痛みに慣れてるかも。
男だったら死んじゃうかもしれない痛みがそんな簡単にはいかないとは思うけど、
予行練習みたいに思ったら、日々の痛みも軽くなるかな。
これも、実体験がないから言えるのかも

おしるし(破水の前兆)ついにきました。
今週にも産まれるかも!

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