カテゴリ:

DPP_020246

長女小春6年生には両親共々干渉しすぎているかもしれない。身長も高くなり色々分かる事も増えた。言えば分かると思ってしまっているが、気持ちはまだまだ子供で、振る舞いは子供なんだという事を親は忘れてしまっていた。
2年前に連載されていた農学研究者のコラム「育てるという事」を思い出した。あの頃は、夫婦共々感動したのに、2年経ち気付いたら二人で小春に注意をしていることが増えてきた。
小春は、心と身体のバランスが整わないが、それは心も身体も育っているから。小春の枝葉が伸びるのを遮っている環境になってしまっているかもしれないと思いなおし、1週間だけは、たとえ、小春の表情が朝からどんより曇ってても、笑顔で声を掛けてみることにした。そんな心掛けがすぐに小春の変化につながった。妹に少しだけ優しくなり、笑顔も増えた。

奥さんの日記↓
フクダカヨ絵日記「子供を怒りすぎて凹む親がやってみた簡単な実験」


『私は大学で植物や作物を育てています。土を耕して種をまき、水や肥料をやります。
そして害虫や雑草を取り除くのです。育てるという事は、とても手間の掛かる作業です。
しかし、「育てる」とは どういう事なのでしょうか。
植物は、日々、葉の数を増やし伸びていきます。
それは、人間の仕業ではありません。植物自身が「育っている」のです。 植物を育んでいるものがあるとすれば、それは、太陽の光や土や水です。
「育てている」という言い方は、おこがましい言葉だったかもしれません。 私にできるのは、育ちやすい環境を整え、成長に必要なものを与えるだけのことなのです。芽を出し、葉を広げ、茎を伸ばして花が咲く。段階を経て植物が育つには、時間が必要です。「育てる」とは、それをじっと「待ち続ける」事でもあります。全くの受け身なのです。
 そういえば、「子育て」という言葉もありました。子供たちを育てる事はできません。出来る事は、健やかに育つ環境を整え、必要なものを与えてあげることなのでしょう。
 昔の人は、「作物は足音を聞いて育つ」と言いました。一番大切なことは、常に気に掛けて見守り続けることだと先人は知っていたのです。』(稲垣 栄洋=静岡大学院教授 )※2015年東京新聞コラム