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Train
1996.8

先日、待ち合わせで待っている各停電車の1番前に乗ったら、おばあちゃんに抱かれて運転席を見る男の子がいた。
「お父さん来るかなあ?」とおばあちゃんが言う。
「お父さんもうすぐ来るよ」と男の子。
運転席に運転手が乗り込んできた。
すると男の子の目の前の窓が開き、「次の駅まで開けておいてあげるよ」と運転手さんの表情が緩む。
運転席に向かうと表情がキリッと締まる。
指示確認の声が響き、背中からも伝わる格好良さ。
男の子の誇らしげな表情。
次の駅で降りて行く男の子。
窓を閉めながら微笑んで見送った運転手さん、そしてまた運転席に戻る。
たぶん男の子は初めてお父さんの運転姿を見たのだろう。
大分前から運行時間を聞いて楽しみにしていた様子。
一番楽しみにしていたのはお父さんだったのでは。
こんな素敵な瞬間に立ち会えてうれしかった。