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tokoya
ロンドン 2003年

僕が小2、兄が小5の時のこと。
兄はいつも床屋でスポーツ刈りにしてもらっていた。
僕は母に髪を切ってもらっていた。
ある日兄が床屋から帰ってくると、手にはカバ屋10円ガムを持っていた。
髪を切るともらえるという。
僕は、無性に10円ガムが欲しくなり、小さい頭で考えた。
床屋に行き、スポーツ刈りにすると10円ガムオレンジ味がもらえる。

僕は意を決して「僕も床屋さんに行ってスポーツ刈りにする」と言った。
困惑する両親もあきれ顔で、連れて行ってくれた。
床屋のおじさんのバリカンは嫌だったけど、目をつむってオレンジガムのことだけ考えていた。
スポーツ刈りが仕上がり、待ちに待ったオレンジガム。なぜか2個ももらえた。
家に帰り、似合わないだの散々言われたが、
うれしそうにガムを食べている僕を見て、
母が、「ガムが欲しかっただけじゃないの?」と鋭い指摘。
僕も素直に「そうなんだけど...」と
「ガムだったら床屋に行かなくても買ってあげたのに」
ごもっともでした。
でも、あの時はなぜかスポーツ刈りをしてもらうガムが欲しかったんだと思う。