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先日、谷川俊太郎さん宅に伺った。
3月14日に発売される奥さんの本の帯を書いてくださったお礼を兼ねて、
刷り上がった本を持っていった。
奥さんが前に一度仕事を一緒にした事があり、
本の中にその日の日記も登場するので掲載許可をもらうので連絡していた時に、
僕が谷川さんに言葉をもらえたらかっこいいだろうなあと話していた。
奥さんは「書いてほしいけど私の本なんかの帯に頼むのは悪いよ」と言っていたので、
僕は「悪いかどうかは谷川さんが決めてくれるし、やらないで後悔するより、
やりたいと思ってることは全部やろうよ」と食い下がった。
谷川さんに帯のことを聞いたら、
「僕、帯は得意なの。嫌だったら断るしね」とうれしい言葉。
何日か前から、谷川さんに初めて会えるのでウキウキしていた。
呼び鈴で谷川さんが顔を出して
「どうぞ、ずっと奥の左の部屋に入って」と言う言葉にしたがって応接間のソファに座った。
谷川さんがお茶ときびだんごを持って現れた。
奥さんが「旦那の入江です」と紹介してくれたのだが、
谷川さんから返ってきたのは「あれ?初めてだったけ。
絵日記見てるからさ。初めての気がしないね」と言われた。
そういえば、本の打ち合わせで編集担当の方が初めて家に来た時、
僕は部外者だし小春を抱いてすましていたのだけど
「入江さんにも出産のところでお力をお借りしたいと思っています」と言われてしまった。
絵日記でかかれたあんな情けない話やこんな恥ずかしい話を全部知ってるんだ。
すましてる場合じゃなかった。
今後も絵日記を先に見た人と初めて会うことが増えるんだろうなあ。

これは、「初めましての挨拶」の危機だ。