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backingham
2003 London バッキンガム宮殿の衛兵の交代式


山手線で隣に座った父と子二人。
聞こえてくるのは英語。
どうやら、父は東京に転勤してきて少し慣れている風。
妻と子は少し後から遅れて来日してきて、
今日が初めての外出で子どもたちははしゃいでるといった様子。
会話するパパとデイビッドとキャシー親子の会話に耳を傾けた。

「見てごらん!混んで来ただろ、これが夕方のラッシュだよ。忙しそうだね」
 はしゃぐ二人にパパは
「いいか混んでる車内でそんなにはしゃぐなよ」
それでもじゃれ続ける二人
「おい、もうするな。パパはそんな風にはしゃぐのは嫌いだ」
更に続ける二人
「おいデイビッド、今パパはなんて言った?」
「パパはこんな風にはしゃぐのは嫌いって言った」
3人で声を合わせて
「パパはこんな風にはしゃぐのは嫌い」

「ヘイ!ガイズ、タカタノバーバで降りるからな」
「タカタカバーバ?」とキャシー
「違うタカタノバーバだ」
「タカタノバーバって言ったもん」とキャシー

「あれが、パパが通う自動車教習所だ。免許が取れたら色んな所に行こうな」
「パパ、どのくらいかかるの」と車好きのデイビッドが聞く。
「だいたい半年くらいかな」
その後少しの間、デイビッドはキャシーに想像のハンドルさばきを見せていた。

窓の外に夢中のキャシーは何度も席の上に靴を乗っけてしまっていた。
見かねたパパは「キャシー、席の上に靴をのせてはいけないよ。ある意味靴は汚いんだから」
それでも外に夢中のキャシー
「キャシー、さっきも言ったけどな、靴は汚いんだ。日本では家でもどんな店でも靴を脱いで入るんだ」
「なんで?」とキャシー
「日本の気候はウェットだ。だから靴を履いたままでは汚いんだ」

渋谷駅に着くと
「見てみろ、混んで来ただろ。あっちに停まってる電車もすごい人だ。
 渋谷は東京で最もビジーな街の一つだからな」

「あっちを走る黄色い電車を見てみろ。あれに乗っていとこのカズコにとんかつを食べに連れて行ってもらった。
今度、機会があったら行こう」
「パパ、とんかつって何?」
「ん?そうだなあ、しゃぶしゃぶの一種だな」

子とのコミュニケーションをよくとり、疑問にちゃんと答えている、とても素敵なパパでした。
でも、少しずつずれた知識を持っていたのは微笑ましかった。
とはいえ、生活していると観光ってほとんどしないから、旅行者よりもその街に関しての知識は少ないかも。
生活していると、今住んでいる周りのスポットなんて知らない。
ロンドンに住んでいた時も、よく行く所は観光スポットではなく生活に必要な所ばかりだった。
訪ねて来た友人に教えられたことも多くあった。
僕も、ロンドンを案内した時、イギリス人から見たらあのパパと同じレベルで友人に話していたのだろう。